近代科学史において最も重要な発明家の一人とされるニコラ・テスラ。
そのテスラが「金星から地球へ連れてこられた存在だった」とする、にわかには信じがたい内容が、FBIの機密解除文書に記されているとして注目を集めています。
この奇抜な主張は、陰謀論という枠を超え、「実在する公的文書に記載されている」という点で、今も議論の的となっています。
FBI公式サイトに残る問題の文書
問題の資料は、FBIが運営する公式アーカイブ「The Vault」に保管されている文書の一つです。
日付は1957年6月14日。「Interplanetary Session Newsletter(惑星間セッション通信)」と題された内部資料には、当時のUFO界隈の動向や、いわゆる“コンタクティ”と呼ばれる人物たちの活動が記録されています。
そこには、テスラの死後、彼の設計に基づいて「惑星間通信装置」が完成され、技術者たちが宇宙船と継続的に交信している、という記述が見られます。
さらに衝撃的なのが、「テスラは1856年、金星から地球に運ばれ、旧ユーゴスラビアの山間部でテスラ夫妻に託された存在である」とする一文です。

引用:FBIrecords
文書に記された「惑星間通信装置」の正体
文書によると、テスラは1938年、惑星間通信を行うための無線装置の設計を完成させていたとされています。
テスラ自身は1943年に亡くなりましたが、その後、技術者たちがこの装置を完成させ、1950年から運用を開始したと記されています。
この装置を通じて「スペース・ピープル(宇宙の存在)」との交信が行われ、彼らがテスラの“金星人起源”を明かした、というのが文書の主張です。
ただし、この内容はFBIの公式見解ではなく、当時出回っていたUFO関連団体の情報をそのまま記録したものに過ぎません。

ジョージ・ヴァン・タッセルとコンタクティたち
文書に頻繁に登場するのが、アメリカのUFOコンタクティとして知られるジョージ・ヴァン・タッセルです。
彼は「金星人と接触した」と主張し、その教えをもとに「インテグラトロン」と呼ばれる若返り装置を建設した人物として知られています。
また、イギリスではジョージ・キングが「エーテリウス協会」を設立し、宇宙存在との霊的交信を宗教活動と結びつけて展開しました。
FBI文書には、こうした人物たちの講演情報や出版物の案内まで詳細に記載されています。
マーガレット・ストームの著書と「テスラ神話」
テスラが金星人であったという説は、作家マーガレット・ストームの著書『Return of the Dove』によって、さらに広く知られるようになりました。
同書はテスラの生涯と業績をスピリチュアルな視点で再解釈し、「ニューエイジ思想の到来」と彼の発明を結びつけています。
もっとも現在では、この書籍は学術的根拠を持たないフィクションと評価されています。
テスラの出生や生涯は、歴史資料によってすでに詳細に確認されており、「金星起源説」を裏付ける証拠は一切存在しません。

引用:Wikipedia
FBIは何を記録していたのか
重要なのは、FBIが「テスラは金星人である」と公式に認定したわけでは決してない、という点です。
この文書は、当時アメリカ国内で活動していたUFO団体やコンタクティ運動に関する“情報収集資料”として保管されていたものと見られています。
つまり、FBIは奇抜な主張の真偽を保証したのではなく、あくまで「そのような主張が存在していた事実」を記録していたに過ぎません。


「テスラは金星から来た存在だった」という説は、FBIの機密解除文書に“記載はされている”ものの、科学的・歴史的根拠を持つ事実ではありません。
この文書は、1950年代に盛んだったUFO信仰やコンタクティ文化を読み解く、貴重な時代資料と見るべきでしょう。
天才発明家ニコラ・テスラを巡る“宇宙起源説”は、いまなおロマンと陰謀の狭間で語られ続けています。
引用元:Ancient Code
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