バベルの塔は実在していた⁉️古代エチオピアの建築法から探るバベルの塔の秘密

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バベルの塔は実在していた⁉️古代エチオピアの建築法から探るバベルの塔の秘密

旧約聖書に登場する「バベルの塔」。人類が天に届くほど巨大な塔を建設しようとしたところ、神によって言語を混乱させられ、人々が世界各地へ散らばったという有名な物語である。

このバベルの塔は神話や伝説として知られているが、実際に古代人が現代の高層ビルに匹敵する巨大建築物を造る技術を持っていたとしたらどうだろうか。

2026年9月9日、ドイツ考古学研究所(DAI)が発表した研究によって、古代エチオピアの建築技術に驚くべき可能性が浮かび上がった。

研究対象となったのは、エチオピア北部の古代都市イェハに存在した「グラト・ベアル・ゲブリ宮殿」である。

この宮殿は紀元前8世紀頃に建設されたと考えられており、建物の平面規模は約60m四方。UNESCOの資料では、高さ27m以上、5階建ての巨大宮殿だったと推定されている。

高さ27mといえば、現代の一般的な建築物なら8〜9階建てに相当する。約2800年前のアフリカに、これほど巨大な建物が存在した可能性があるというのだから驚きである。

さらに注目すべきなのは、その建築方法だ。

古代エチオピアでは、石材を積み上げた壁の内部に木材を水平に組み込む「木材補強組積造」という工法が使用されていた。

石材は上からの圧力に強く、木材は引っ張る力や変形に対応しやすい。この二つを組み合わせることで、壁の一体性を高め、巨大な建築物を支える仕組みになっていたのである。

宮殿の壁は地上階で約1.9m、基壇部分では約2.2mもの厚さがあった。さらに高さ約6mの巨大な基壇が建物を支えており、内部には木製の柱も配置されていた。

つまり、古代エチオピア人は単純に石を積み上げていたのではなく、建物の重量や構造を考慮して巨大宮殿を建設していたのである。

そして2026年、研究者たちはこの宮殿の壁構造を現代のコンピューターで再現し、有限要素法と呼ばれる建築構造解析を実施した。

その結果、当時の壁構造には、少なくとも19階建ての建物に相当する鉛直荷重を支えられる可能性が示された。

実際に19階建ての宮殿が発見されたわけではないが、古代の建築技術が想像以上の強度を持っていたことを示す興味深い研究結果である。

さらに古代エチオピアは、紅海を挟んだ南アラビアの文明とも交流していた。

現在のイエメン周辺に栄えたサバ王国などとは、建築技術や文字文化に共通点が確認されている。

ドイツ考古学研究所によれば、アラブの歴史家による記録には最大20階建ての建築物に関する記述も存在するという。

こうした古代の巨大建築に関する記録を知ると、ある建築物が思い浮かぶ。

それが「バベルの塔」である。

実は、現在のイラクに存在した古代都市バビロンには、バベルの塔のモデルとして有力視されている巨大な建築物が存在した。

その名は「エテメンアンキ」。

古代バビロニアの主神マルドゥクに捧げられた階段状神殿であり、その名前には「天と地の基礎」という意味がある。

エテメンアンキは「ジッグラト」と呼ばれる建築形式で造られていた。

古代の楔形文字資料「エサギラ粘土板」によると、その底面は約90m四方、高さも約90mに達し、7層の階段状構造を持っていたとされる。

高さ90mといえば、現代の約25〜30階建てに相当する規模である。

実際の高さについては約60m程度だったとする推定もあるが、発掘調査では約91m四方の基礎が確認されている。

建築方法は古代エチオピアとは異なり、日干しレンガと焼成レンガを大量に積み上げる方式だった。

中心部分には日干しレンガを使用し、外側を焼成レンガで覆うことで巨大な構造物を形成していた。

さらに、レンガの接着や防水には天然のアスファルトにあたる「瀝青(れきせい)」が使用されていた。

ここで興味深いのが、旧約聖書『創世記』11章の記述である。

聖書には、バベルの塔を建設する人々がレンガを焼き、石の代わりにレンガを、接着材料として瀝青を使用したと書かれている。

つまり、聖書に登場するバベルの塔の建築材料は、実際の古代メソポタミアの建築技術と一致しているのである。

また、エテメンアンキのような階段状の構造には、建築学的な合理性もある。

上に向かうほど建物を小さくすれば、上部の重量を減らしながら、広い基礎で全体を支えることができる。

これは現代の鉄骨造の高層ビルとは異なるが、古代の建築材料で巨大な高さを実現するための有効な方法だった。

一方、創造論ではバベルの塔を、ノアの大洪水後に人類が建設した実在の巨大建築物として解釈する立場がある。

この考え方では、バベルで言語が分かれた後、人々が世界各地へ移住し、それぞれの文明を発展させていったとされる。

そのため、古代エチオピアやメソポタミア、エジプトなどに存在する巨大建築物を、バベルから広がった建築技術の名残と考える仮説も生まれる。

現在のところ、エチオピアの宮殿とバベルの塔が直接関係していたことを示す証拠は見つかっていない。

しかし、古代の人々が巨大な建築物を造る技術を持っていたことは、実際の遺跡や建築構造の研究によって明らかになっている。

そして現代の3Dモデリングや物理シミュレーションを利用すれば、エテメンアンキの構造を再現し、古代のレンガや瀝青でどの程度の高さまで建設できたのかを検証することも可能である。

古代エチオピアの木材補強組積造と、バビロンのレンガ組積造を比較すれば、異なる文明がどのような方法で高層建築を実現していたのかも見えてくるだろう。

バベルの塔は本当に実在していたのだろうか。

古代バビロンに巨大な塔が存在したことは考古学的に確認されており、その建築技術は聖書の記述とも興味深い共通点を持っている。

約2800年前のエチオピアに存在した巨大宮殿の研究は、古代人の建築技術が私たちの想像以上に発達していた可能性を示した。

かつて人類が「天に届く塔」を建設しようとしたという物語。

その背景には、実際に古代世界にそびえ立っていた巨大建築物の記憶が隠されているのかもしれない。

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参考資料

* ドイツ考古学研究所(2026年9月9日)「Ancient Skyscrapers in Ethiopia?」
https://www.dainst.org/en/newsroom/antike-wolkenkratzer-in-aethiopien/915
* Drieschner & Schnelle(2026)『Heritage』
https://www.mdpi.com/2571-9408/9/7/270
* UNESCO「The Cultural Heritage of Yeha」
https://whc.unesco.org/en/tentativelists/6477
* フランス文化省「Architecture of the ziggurat」
https://archeologie.culture.gouv.fr/orient-cuneiforme/en/architecture-ziggurat
* Pedersén(2024)「The Tower of Babylon Stele Found in Babylon」
https://doi.org/10.1017/irq.2024.4

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